実家に帰省できない妊婦さんへ

不安な妊婦さん

妻です。

一昨日、気になっていた『オニババ』が届きまして、

合間合間にちょっとずつ読み進めています。

レビューをちらっと見て、なんかぶっ飛んだ話なのかと思いましたが(笑)、

ふつうに、ふんふんふんと読み進めております。

読み終わっていないので、感想は控えさせていただきますね。

 

『オニババ』を読んでいて、息子を産んだ時のことを思い出しました。

よいお産をすると、女は変わる。

本当に有り難いことに、

私もそのひとりだなあと、こころから思います。

本当に、本当に、すてきなお産をさせていただきました。

何度も何度も、そこへ立ち返るようなお産。

今の日本では、そんなお産はどんどん減ってきていることを考えると、胸が痛みます。

息子のお産は、産ませてもらったようなお産でした。

14時間近い陣痛の合間、

片時も離れずに側にいてくれた主人と、2人の助産師さん。

この3人がいなければ、私はきっと産めなかった。

この3人が、

どんなに私が泣いても叫んでも、はたまた吐いても、

「怖い怖い」って大泣きしても、

「怖いよねえ、でも大丈夫だよ」って、受け止め続けてくれたこと。

妊娠中は「自分が望んだ妊娠なんだからしっかりしろよ!」って

私が泣き言をいう度怒っていた主人も、

陣痛の間は一緒に泣きそうな顔してずっと手を握ってくれていたこと。

今思い返すと、

なんの覚悟もないなんて受け身な妊婦だったのだろうと思うけれど、

けれど息子が生まれたあの日、

陣痛の合間、それまでずっと抱えていた不安をすべて吐き出して、

それを全て受け止めてくれた3人がいて、

”受け止めてもらえたこと”

それが私にとってどんなに大きなことだったかと思う。

14時間の陣痛は、私には必要なものだった。

本当に、本当に、あの日の3人には頭が上がらない。

もし2人目を産むことが叶うならば、

私はもう少し、私自身と、それからお腹の子どものことを信じて、

ふたりの力で、産むことが出来るだろうな、と思う。

あの日、泣き叫びながら産んだ私を見ていた主人にはとても理解できないだろうけれど、

何度でも、何度でも、100人でも産みたい。(産むだけなら)

 

息子の妊娠中、一番不安だったのは実家に帰省できないことでした。

親も生きているし、実家もあるけれど、

父親はアル中で引きこもりだったし、

母親は仕事中毒で家に居なかったし、

どう考えても帰省できるような環境じゃなかった。

能登の祖母のところへ?とも一瞬考えたけれど、

80歳を過ぎた祖母に頼るのも考えものだし、

田舎へ行けば病院で産む以外の選択肢がないこともやめた理由だった。

けれど学生時代の友達も、

当時同じ時期に妊娠していた知り合いも、

みなひとり残らず、実家へ帰省するか実母がしばらく泊まりに来てくれることになっていて、

頼ることが出来ない、ということが、本当に怖くて仕方なくて。

赤ん坊との暮らしがどんなものなのかさっぱり分からないうえに、

親の助けなく育てる知り合いがひとりもいない。

唯一、主人の治療院に通っていた患者さんに、帰省せずに産んだ方がいて、

涙が出るほど心強くて、思わず手紙を書いたこともありました。

「ひとり目だから、親の助けがなくても大丈夫だよ」

そう言われたことは何度となくありましたが、

でも正直、親の助けを借りて産後を過ごした人に言われても、なんの説得力もなくて。

「産後は大事!身体をしっかり休めないとダメなんだからね!」と

妊娠中、祖母から電話がくる度に言われ、

どうやって休めっちゅうのよ!とその度にイライラ。

考えてみれば、妊娠中って、ちょっと情緒不安定なんですよね。

そういったことも、しんどかった理由のうちだったんだろうな。

 

結論から言えば、

実家に帰らなくても、親の助けがなくても、なんの問題もありませんでした。

むしろ、主人にしか頼れないからこそふたりで頑張れたし、

とても幸せな時間だった。

ふたりで産んで、ふたりで育てた。

それは、必ずしも勧められるようないいことではなかったのかもしれないけれど、

けれどとても幸せな時間で、

それだけは紛れもない事実でした。

どうしても、まわりがみんな実家に帰っていたり実母が来ていたりすると、

自分だけどうして?って、思ってしまうけれど、

今思えば、私は実家に帰省できなくて本当によかったと思ってる。

産まれたばかりのちいさな命が、

泣いたり、笑ったり、「きゅぅ~」って言ったり、

そんな幸せな瞬間を、主人とふたりで共有できたこと。

それは、何よりも大切で、すてきなことだった。

 

だから、

もしも、実家に帰省することができない、

親の助けを借りることのできない初産婦さんがいたら、

「大丈夫だよ」って伝えてあげたい。

それは悲しいことではなくて、幸せなことだと思うよ、って。

これからの時代、きっと帰省できない妊婦さんは増えてゆくのだと思う。

でも大丈夫。

旦那さんに頼ればいい。

頼って、頼って、頼りまくれば、

旦那さんはきっと、あっと言う間にすてきなお父さんになるから。